部屋/天井/壁紙に抗菌・防カビ剤入りのペンキや塗料で塗装すればカビは生えなくなりますか?断熱材まで交換となる失敗例です

防カビ剤入りの塗料で
カビ対策はできる?

(一社)防カビ技研の記事をご覧いただきありがとうございます。

結論から先にお伝えすると、天井ジプトーンボードにカビが生えた場合は、ペンキやその他の塗料など絶対に塗らないでください。

ペンキや塗料を塗ってはいけない理由

こちらの画像は天井ジプトーンボードに生えた黒カビを市販の塩素系漂白剤で除去したのち、防カビ剤入りのペンキで施工した後の画像です。

ジプトーン石膏ボードに生えるカビは見た目がフワフワしていて斑点状に広がりますが、ペンキに生えたカビは固くなり頑固な黒カビになっています。

白いペンキによって頑固な黒カビが発生

まるでお風呂のゴムパッキンに生える黒カビのようにゴシゴシ擦っても全く取れません。つまりペンキでジプトーンが乾燥しなかったので強いカビが発生したのです。

この状態になると、天井裏までカビが成長している可能性が高いので、ジプトーンの交換と同時に断熱材まで修繕が必要になります。

カビが生えた原因から知る

例えばスーパーマーケットの天井にカビが生える原因を探っていきましょう。

初めに食品(野菜・魚・肉)の水分、土埃と繊維ホコリなどの「栄養」が天井に付着します。

生物の食品から水分が蒸発する

次に冷蔵庫・冷凍庫・ショーケース・業務用エアコンと天井裏の温度差でジプトーンの表面(または裏面)に結露が発生します。

さらに「夜」になると結露が乾燥せず、温度は26℃±1になるので、「水分」「栄養」「温度」の条件に一致してエアコン周辺から異常繁殖するのです。

まずはエアコンの周辺からカビが大量に発生する

よって、少量の防カビ剤しか配合していないペンキを塗っても、毎日付着するカビ胞子と水分には敵いません。

ペンキのキャパを超えてしまうのでカビが発生します。

防カビ技研

食品スーパーの場合は冷蔵・冷凍ショーケースの冷却装置に付いているフィルターの清掃を怠っていると、そこに大量のカビが発生している場合があるので注意が必要です。

細菌がペンキを分解して強い黒カビが誕生する

ジプトーンやソーラトンは石膏やロックウールで出来ているので調湿性があります。

その調湿性があるおかげてカビが頑固にならず、実は比較的弱いカビで留まっています。見た目の特徴はフワフワしていて斑点状に広がります。

実はフワフワしていて弱いカビ

しかしそこに通気性のないペンキ等の塗料を塗ると天井の調湿性が大きく失われます。つまり水分を吐き出すことができなくなるのです。

すると石膏内部と天井裏が乾かずに結露水が留まり、内部で細菌が繁殖し、細菌が分解した代謝物(防カビ剤も分解します)がカビの栄養になります。

カビが生息している場所には細菌も生息している

結果、天井で食物連鎖が生じるので、カビ以外の微生物(細菌・ダニ)も生息できる不衛生な環境が誕生します。


天井に食物連鎖が生じる

そしてカビを捕食するチャタテムシが異常繁殖すると、天井から糞やホコリが落下するのでとても危険です。

チャタテムシを捕食するクモやゴキブリが増えれば、いよいよお客様からクレームが起こることでしょう。食中毒になる恐れもあります。

緊急処置として頑固な黒カビを除去しようとカビ取り剤を塗布しても、とても固く頑固に成長しているので8時間経ってもシミが消えません。

ジプトーンボード表面の白い模様が取れてひどく傷み、天井裏の断熱剤もビショビショになっているので、ボードの張り替えと断熱材の交換となってしまうのです。

業者が防カビ剤入りのペンキを塗れば生えないと言っているのですが本当ですか?

カビが生えていなかった場所ならペンキ等で美観を維持するのもいいでしょう。しかしカビが生えた天井の防カビ対策に、通気性のない塗料を選ぶのは間違いです。

ペンキを塗ったあとの防カビ工事は困難を極めるので、ジプトーンボードを張り替えたあとに防カビ施工となります。

ジプトーンを張り替えても防カビ対策が必要ですか?

詳しくはこちらをご覧ください↗

防カビ試験を確認する

ペンキや床ワックスには微量の防カビ剤が含まれています。その効果を試験する名称が「防カビ試験(カビ抵抗性試験)」と言います。

そのカビ抵抗性試験の詳細はこちら↗に記載されていますのでご覧ください。

ここでは簡単にお伝えすると、この試験の日数が長いほど実際の環境で効果がある。という試験になっていて、最大28日間でおよそ1年間効果があると言われています。

そこで業者が検討している防カビ剤入り塗料のカビ抵抗性試験日数を確認してください。メーカーサイトに記載されています。

おそらく7日、14日、21日、28日と記載されていると思いますが、当研究所の場合は第三者機関のご協力により336日間試験しているのでおよそ12倍です。

防カビ試験/カビ抵抗性試験は336日間で12倍の作用

このことから防カビ剤入り塗料に含まれている防カビ剤が、とても少ないということが分かります。

結果、業者が天井ジプトーンの防カビ対策でペンキ等の塗料を提案してきたら、カビ抵抗性試験の日数を聞いたのち、短ければお断りした方がいいでしょう。

塗装技術と防カビ技術は全く異なる技術です。

防カビ技研にお任せください

当研究所は病院・食品スーパーの天井に発生するカビ防止対策に特化した社団法人です!天井化粧ボード(ジプトーン等)から天井エアコン(空調設備)まで一括してカビ問題を解決します。

カビにお困りの方は当研究所のカビ取り専用サイトからご相談ください!