(一社)抗菌防カビ清掃技術研究所では、公的衛生研究所で発表された「配管内生物膜除去効果」の成果をもとに、温浴施設の衛生維持に関する無償のモニタリング試験を実施しています。

本取り組みは、施設様のご負担なくご協力いただける無償の試験プログラムです。循環式浴槽の配管を対象に、洗浄後の残留塩素濃度の持続性や衛生環境の変化を1ヶ月間観察します。施設様とともに、安全で清潔な温浴環境づくりを科学的に支えることを目的としています。

項目内容
試験名称温浴施設配管の衛生維持に関するモニタリング試験
実施主体一般社団法人抗菌防カビ清掃技術研究所
試験目的「生物膜の流出」「残留塩素濃度の持続性」の評価
対象地域埼玉県内(温泉施設・旅館・ホテル・スポーツジム・介護浴槽など)
対象施設循環式浴槽を有する施設(準天然温泉・水道水ベースの人工泉を含む)
費用負担無償(交通費・試験費用含む)
試験期間1日(施工)※施設運用に支障のない範囲で調整
試験日時夜間実施可能 ※営業に支障のない時間帯で調整
浴槽数1系統
測定項目洗浄時の生物膜確認、残留塩素濃度の持続性
水質検査化学分析(4項目・6項目)は本試験の対象外です
情報管理地域、事業形態を公開。企業名は非公開
  • 当研究所の技術スタッフが簡単なヒアリングを行います。
  • 当研究所の技術スタッフが浴槽の配管洗浄を実施します。
  • 洗浄中及び配管洗浄で流出された有機物や生物膜を撮影します。
  • 残留塩素濃度の持続性に変化があったかお聞きします。

本試験の目的は、洗浄により流出される生物膜の可視化および洗浄後の残留塩素濃度の変化傾向を確認することです。そのため、水質4項目(または6項目)の化学分析は実施いたしません。

洗浄後は当研究所から10日後、20日後、30日後の残留塩素濃度の変化をお聞きします。これでモニタリング試験は終了です。

お問い合わせ内容のフォームで「無料モニタリング」にチェックを入れて送信をお願いします。後日、当研究所の技術者からご連絡いたします。

公的衛生研究所において行われた学会発表では、レジオネラ属菌が検出された温浴施設の循環配管から、生物膜が流出する様子が報告されました。塩素剤による常用消毒を行っても10,000CFU/㎠以上のレジオネラ属菌が検出され、高濃度塩素処理を行うと理論値を大きく下回る挙動を示し、泉質や有機物の影響が示唆されました。

その後、当研究所が管理する生物膜除去剤「湯泡美(ゆわみ)」を常用消毒として用いた結果、レジオネラ属菌は不検出となり、配管洗浄の際には目視で確認できる生物膜や有機物の流出が観察されました。

この試験報告を受けて、洗浄技術の研究を進める当研究所では、埼玉県内において生物膜の流出状況および残留塩素濃度の変化を記録・保管するモニタリング試験を開始します。これにより、温浴施設のさらなる衛生環境の向上と、日本の入浴文化という伝統を未来へ受け継ぐことを目指しています。

防カビ技研

【注】こちらの画像は兵庫県の施設で撮影した洗浄写真で、公的衛生研究所が目視確認をした画像ではありません。イメージとして掲載しています。

生物膜助剤「湯泡美(ゆわみ)」は、特許第2060821号「殺菌剤組成物及び殺菌剤の製造方法」に基づき製造されています。

当研究所の顧問であり、NPO法人環境微生物災害対策協会(微対協)代表理事の吉田博士が取得された特許で、40年以上にわたり真菌・レジオネラ属菌の除去と環境衛生の研究に取り組まれています。

麻布大学 名誉教授 古畑勝則先生は、レジオネラ属菌など水環境微生物の生態学・環境衛生学の第一人者であり、当研究所の顧問として学術的ご指導をいただいています。

本試験は、当研究所副理事 宮下が担当します。宮下は家庭向け「風呂釜洗浄技術講習」および温浴施設向け「業務用配管洗浄技術講習」の講師を務め、現場実務と教育の両面から技術普及に取り組んでいます。

防カビ技研

塩素剤による配管の劣化により、莫大な修繕費を余儀なくされる温泉施設があります。また、劣化によって発生するレジオネラ属菌の感染は深刻です。埼玉から日本の入浴文化を守るために、この研究へのご協力をお願いできないでしょうか。

お問い合わせ内容のフォームで「無料モニタリング」にチェックを入れて送信をお願いします。後日、当研究所の技術者からご連絡いたします。

※本試験は営業中の浴槽水を対象とせず、研究・検証目的で行う観察試験です。法令上の水質検査や行政報告の対象には該当しません。